この投稿は、デザイン経営の具体的な効果について論じた部分の要約になります。
戦略デザイナー森田昌希のビジネスレビュー
「中小企業におけるデザイン経営の戦略的重要性と新たな要件」の要約⑧になります。
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●キーワード
デザイン経営/ブランド/イノベーション/インナーブランディング/インターナルマーケティング/サービスマーケティング/
●デザイン経営の効果_その1
「 で? 具体的にどんなメリットあるの? 」
デザイン経営導入後に、どんな便益をもたらしたのを
「日本企業におけるデザイン経営の取り組み状況」(公益社団法人日本デザイン振興会,2020)から読み取りました。
デザイン経営に積極的な企業ほど、
①売り上げ成長率は高い傾向にある。
②将来的な効果への期待が高い傾向にある。
③従業員と顧客から愛される傾向にある。
という3つの結果が出ています。
①と②を導き出したアンケート結果は以下です。
3つ目の③従業員と顧客から愛される傾向についての結果を導いたアンケート結果は以下になります。
●デザイン経営の効果_その2
人材採用や人材定着率での効果が顕著であると言われています。
先の調査でも「デザイン投資に積極的な企業ほど従業員から愛される」という結果が出ていましたね。
これはインナーブランディングやインターナルマーケティングと呼ばれるマーケティング活動で、従業員満足度の向上がロイヤルティと顧客満足度の獲得へ繋がるというサービス・マーケティングの考え方で、ハーバード・ビジネススクールのへスケット教授(J.S.Heskett)と、サッサー教授(W.E.Sasser,Jr.)らが1994年に提唱した概念です。
サービスマーケティングという考え方からも、デザイン経営の導入がブランド構築による付加価値創造(利益の最大化)に影響することが分かのではないでしょうか。
●まとめ
ここまで2回に渡り、デザイン経営の成功事例と具体的な効果について論じてきました。
しかし、ヒト、モノ、カネ、情報というリソースに乏しい中小企業にとって、
「戦略的に有効であることは分かるけど、導入&実践が非現実的だ」
というデザイン経営の問題を捉えることができました。
次は、デザイン経営宣言と現実とのギャップについて掘り下げていきます。
そのギャップを埋め、デザイン経営が、企業規模や主幹事業の内容に左右されず導入しやすい経営戦略になること、それこそ私が論文を執筆した目的です。
~続く「デザイン経営宣言から見るデザイン経営成功事例と現実にあるギャップ」~