デザイン経営を実践するための組織構造について論じた部分の要約になります。
戦略デザイナー森田昌希のビジネスレビュー
「中小企業におけるデザイン経営の戦略的重要性と新たな要件」の要約⑯になります。
●デザイン経営推進への問題と課題
デザイン経営が上手くいかない問題は、
①デザインに関する意思決定が事業部に落ちてしまっていること
②「笛吹けど踊らず」経営層の独りよがり
と考えます。
![デザイン経営の問題](https://morita-consul.com/wp-content/uploads/2022/06/group-of-happy-young-people-dancing-and-have-fun-on-party-in-modern-home-bacony-with-sunset-and-ocean-in-background.jpeg)
①に対する課題は、
・デザイン経営を実践するための組織構造の再設計
②に対する課題は、
・デザイン経営を継続するための組織文化の醸成
・デザイン経営が浸透するための評価システム構築
であると考えます。
●組織構造の設計
デザインに関する意思決定が事業部に落ちてしまっているのであれば、先ず組織構造の改革から取り組みます。
デザイン思考を持つ社内の人材と経営層で意思決定を行うために、デザインに関する意思決定を上位機関に格上げします。
![デザイン経営のあるべき姿](https://morita-consul.com/wp-content/uploads/2022/06/スライド3-1024x576.png)
そして社外の高度デザイン人材とともに、共感に始まりプロット&テストまでの一連を、アジャイルで進めていく仕組みを上記の意思決定機関に落とし込みます。
もう少し具体的に落とし込みます。
デザインに関する意思決定は以下のように事業部に落ちており、承認機能だけが上位にあることが多いです。
![](https://morita-consul.com/wp-content/uploads/2022/06/スライド1-1024x576.png)
これを以下のように意思決定機関を格上げします。
![](https://morita-consul.com/wp-content/uploads/2022/06/スライド2-1024x576.png)
とは言うものの、構造設計や機関設計は直ぐにできることではないでしょう。
●まとめ
現実的にはプロジェクトからのスタートでも十分です。
しかし、組織構造の出口をイメージしてからスタートするプロジェクトである必要があります。
デザイン経営について、方法論は多く論じられていますが実行には不十分です。
組織構造や評価システムまで設計しておかないと頓挫する確率は上がっていきます。
次のパートで文化論、そして3つ目のパートで評価システムについて論じていきます。
~続く~中小企業がデザイン経営を推進するうえでの3つの課題~組織文化~