中小企業がデザイン経営を推進するうえでの3つの課題~組織構造編~

デザイン経営の組織構造

デザイン経営を実践するための組織構造について論じた部分の要約になります。

戦略デザイナー森田昌希のビジネスレビュー

中小企業におけるデザイン経営の戦略的重要性と新たな要件の要約⑯になります。

森田昌希プロフィールついてはこちら


●デザイン経営推進への問題と課題

デザイン経営が上手くいかない問題は、

①デザインに関する意思決定が事業部に落ちてしまっていること

②「笛吹けど踊らず」経営層の独りよがり

と考えます。

デザイン経営の問題


①に対する課題は、

デザイン経営を実践するための組織構造の再設計

②に対する課題は、

デザイン経営を継続するための組織文化の醸成

デザイン経営が浸透するための評価システム構築

であると考えます。


●組織構造の設計

デザインに関する意思決定が事業部に落ちてしまっているのであれば、先ず組織構造の改革から取り組みます。

デザイン思考を持つ社内の人材と経営層で意思決定を行うために、デザインに関する意思決定を上位機関に格上げします。

デザイン経営のあるべき姿

そして社外の高度デザイン人材とともに、共感に始まりプロット&テストまでの一連を、アジャイルで進めていく仕組みを上記の意思決定機関に落とし込みます。

もう少し具体的に落とし込みます。

デザインに関する意思決定は以下のように事業部に落ちており、承認機能だけが上位にあることが多いです。

これを以下のように意思決定機関を格上げします。

とは言うものの、構造設計や機関設計は直ぐにできることではないでしょう。


●まとめ

現実的にはプロジェクトからのスタートでも十分です。

しかし、組織構造の出口をイメージしてからスタートするプロジェクトである必要があります。

デザイン経営について、方法論は多く論じられていますが実行には不十分です。

組織構造や評価システムまで設計しておかないと頓挫する確率は上がっていきます。

次のパートで文化論、そして3つ目のパートで評価システムについて論じていきます。


~続く~中小企業がデザイン経営を推進するうえでの3つの課題~組織文化~

破壊的イノベーションとオーバーシューティング

イノベーション

大学院(MBA)で、破壊的イノベーションの成功事例としてパーク24社を取り上げました。時間貸し駐車場市場におけるイノベーションを、時間軸で論じています。その課題の要点をまとめて3分で読めるボリュームに要約しました。
●キーワード

破壊的イノベーション/オーバーシューティング/駐車場ビジネス/連続的イノベーション

———-index————-

①はじめに

②昭和の時間貸し駐車場

③平成の時間貸し駐車場

④令和の時間貸し駐車場

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①はじめに

「時間貸し駐車場ビジネス」を題材に、破壊的イノベーションとオーバーシューティングについて、昭和、平成、令和という元号(時間軸)で論じています。

パークロックシステムを利用した24時間無人の時間貸し駐車場「タイムズ」を展開するパーク24社は、これまでの時間貸し駐車場の概念を根底から覆すサービスで市場に現れて、瞬く間に市場を独占した企業です。

パーク24

しかし、今まさに次の時代の破壊的イノベーションが忍び寄る私は見立てた仮説を立てました。

有人駐車場(昭和)から無人駐車場(平成)へ、そして次の「新しい概念の時間貸し駐車場(令和)」まで3世代に渡るオーバーシューティングと破壊的イノベーションについて調査しました。

●昭和の時間貸し駐車場

昭和の時間貸し駐車場の特徴は、

・管理人が駐在すること

・料金体制が時間割りより日割りであること

・営業時間が限定的であること

にあると言えます。

それ以外のサービスとしては、パーキングメーターという無人の駐車場が登場します。60分という制限があり60分を超えると違法駐車になるため、決して使い勝手の良いサービスとは言えないのかもしれません。このように昭和の駐車場サービスの主流は有人駐車場であったことが分かりました(akippa株式会社調べ)。

駐車場ビジネス

●平成の時間貸し駐車場

平成に入り突如現れたパーク24社、彼らが提供した駐車場サービスの特徴は、

・無人

・時間割で低価格

・24時間365日

にあると言えます。

環境変化の恩恵を受け著しい成長曲線を描き1999年には上場まで果たしてしまいます。

環境変化の恩恵とは、

  • バブル崩壊後の不景気のなか土地活用で悩む投資家に対し、固定的な安定収入を提供できるサービスであったこと
  • 法改正があり路上駐車の取り締まりが急激に強化されたためドライバーにとって駐車場が必要不可欠になったこと

です。

革新的なサービスを安価で提供できたうえに環境変化にも恵まれたパーク24社は、平成においてそのシェアを84.1%にまであげていきました。

急成長

パーク24社は、駐車している間に洗車をしてくれるサービスなど継続的なイノベーションを実施しているが、もしかするとオーバーシューティングでイノベーションのジレンマに陥るかもしれない。

令和の破壊的イノベーションの足音が聞こえ始めている。

※オーバーシュートについてはこちら(神戸大MBA)

≪一部抜粋≫

経営学やマーケティング論において「オーバーシュート」とは、メーカーが顧客の望んでいる以上の品質や性能の製品を開発して市場に出してしまうことであり、日本企業による「過剰品質」「過剰仕様」を指摘する場合などでよく用いられる。

●令和の時間貸し駐車場

最近目にするようになったのが、無人・無ロック、の時間貸し駐車場です。私の自宅付近だけでも2か所ありますし、令和3年現在では餃子の無人販売所が流行していますね。古くは田舎の野菜無人販売所に見られる信用のうえに成り立つビジネスモデル、利用者のリスクと事業者のコストの塩梅が見られる日本ならではのビジネスモデルと言えるのではないでしょうか。

信用

この無人・無ロック駐車場は、精算機が1台あるだけでロック版がない状態でサービスを提供しています。つまりその特徴は、

・イニシャルコストを削減できるため地主のリスクを軽減できること

・提供価格が通常のコインパーキングより非常に安いこと

にあると言えます。

その他にもCtoCで駐車場を時間貸しするプラットフォームを作ったakippa社なども顧客同士の信頼と信用のうえに成り立つビジネスであり、貸主と借り手の新しい価値観で市場が成り立ち始めています。

今のところ破壊的イノベーションが起きているとまでは言えないが、DXが進む令和の時代に何か起こりえる可能性は高いと感じています。

以上

士業はITとDXから逃げられない

士業のデジタルトランスフォーメーション

士業が、どうやったらITとDXと向き合えるかという前向きなお話しです

この記事は、税理士さん、社労士さん、弁護士さん、行政書士さん、中小企業診断士さん、いわゆる士業と言われる職に就き、かつ、ITやDXが少し苦手という先生へのお役立ち情報です。


先に結論から。

●IT・DXと真正面から向き合う必要はない

士業がITやDXと真正面から向き合う必要はありません

DX

ただでさえ多忙なのにがりがり勉強して、経営課題に対して時代に合った最適なIT・DXの助言ができるわけがありません。

ポイントは2つだけ、

  1. 経営者の相談窓口として最低限の知識を押さえる
  2. フォローアップしてくれる仲間とベンダーを抱えておく

このどちらか1つでOKです。

最低限の知識とは言え、時代にキャッチアップしていく必要があり苦労します。

一方、仲間とベンダーを抱える方法については非常に簡単です

後述いたします。


●なぜ士業はITとDXから逃げられないか

企業の入り込んでいる税理士さんや社労士さんは是非ご確認ください。

IT化、DX化が益々進んでいることは総務省から毎年発行される情報通信白書から明らかです。

※サマリーだけなら簡単に読めるので是非こちら(令和3年度版)から

特筆すべきは大企業だけでなく中小企業や小規模事業者でもIT化・DX化が推進しています。

その理由は、官公庁のIT化とDX化がコロナ禍で推進してしまったからです。

皮肉的ですが、コロナがもたらした唯一の恩恵と前向きに考えています。


●士業はなぜかITやDXが苦手な人が多い

取得が困難な国家資格ゆえ、中高年がボリュームゾーンになってしまうことが理由でしょうか。

とにかく拒否反応を持たれている方が多く、ITとDXを回避し続けてきた先生が多い印象です。


●ITやDXに少し向き合えるだけで価値になる

「IT・DXについて相談できる先生」というだけで価値になる時代です。

逆に、

「IT・DXについて相談できない先生」は「お断り」されていく時代になるかも…。

実際に中小企業診断士の実務補習で同期のITリテラシの低さに驚愕したことを鮮明に覚えています。

先に述べたようにIT化・DX化から回避することは士業としての頼りなさ(価値低下)に直結する時代になってきました。ほかの先生からの目も気になりますよね(笑)。

ITやDXで相談できる信頼できる仲間を抱えているだけで

「IT・DXについて相談できる先生」としての地位は確保できます。


●留意点

どんな仲間を抱えるか?注意点が必要です。

ITやDXといえどもかなり幅が広く、

誰が、どの分野に強いかを把握して、適切な仲間を抱えておきましょう。

●ちなみに私の専門分野

IT総合商社に勤めているので何でもいけます。

通信インフラ全般(電話、インターネット、無線、ネットワーク、サーバ、などあらゆる通信環境のSIer)、AWSなどクラウド環境構築、SaaS、IaaS、DaaS、端末手配、キッティング、24日365日運用保守まで対応できます。

加えて元WEB業界に長くいたので、WEB制作、デジタルマーケティング、SNS企業アカウント運用、リスティング運用、EC運用(楽天、アマゾン、yahoo、自社EC構築)の専門性も高いです。

●逆にできないこと

ソフトウェア開発、スマートフォンアプリ開発、システム開発など全く対応できません(笑)

でも、信頼できるエンジニア出身(または兼業)の士業と提携することで補っています。

このように、ITやDXというのは非常に包括的な意味を含んでいるため、誰でもいいという訳ではないことを最初に理解しましょう。

●どうやって相談できる仲間とベンダーを抱えるのか?

お気軽にご相談ください。

私にご相談するメリットは、

ITやDXに本当に強い士業をご紹介いたします。

「士業なので安心」というお考えの方は是非森田までご相談ください。