大学院(MBA)で、破壊的イノベーションの成功事例としてパーク24社を取り上げました。時間貸し駐車場市場におけるイノベーションを、時間軸で論じています。その課題の要点をまとめて3分で読めるボリュームに要約しました。
●キーワード
破壊的イノベーション/オーバーシューティング/駐車場ビジネス/連続的イノベーション
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①はじめに
②昭和の時間貸し駐車場
③平成の時間貸し駐車場
④令和の時間貸し駐車場
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①はじめに
「時間貸し駐車場ビジネス」を題材に、破壊的イノベーションとオーバーシューティングについて、昭和、平成、令和という元号(時間軸)で論じています。
パークロックシステムを利用した24時間無人の時間貸し駐車場「タイムズ」を展開するパーク24社は、これまでの時間貸し駐車場の概念を根底から覆すサービスで市場に現れて、瞬く間に市場を独占した企業です。
しかし、今まさに次の時代の破壊的イノベーションが忍び寄る私は見立てた仮説を立てました。
有人駐車場(昭和)から無人駐車場(平成)へ、そして次の「新しい概念の時間貸し駐車場(令和)」まで3世代に渡るオーバーシューティングと破壊的イノベーションについて調査しました。
●昭和の時間貸し駐車場
昭和の時間貸し駐車場の特徴は、
・管理人が駐在すること
・料金体制が時間割りより日割りであること
・営業時間が限定的であること
にあると言えます。
それ以外のサービスとしては、パーキングメーターという無人の駐車場が登場します。60分という制限があり60分を超えると違法駐車になるため、決して使い勝手の良いサービスとは言えないのかもしれません。このように昭和の駐車場サービスの主流は有人駐車場であったことが分かりました(akippa株式会社調べ)。
●平成の時間貸し駐車場
平成に入り突如現れたパーク24社、彼らが提供した駐車場サービスの特徴は、
・無人
・時間割で低価格
・24時間365日
にあると言えます。
環境変化の恩恵を受け著しい成長曲線を描き1999年には上場まで果たしてしまいます。
環境変化の恩恵とは、
- バブル崩壊後の不景気のなか土地活用で悩む投資家に対し、固定的な安定収入を提供できるサービスであったこと
- 法改正があり路上駐車の取り締まりが急激に強化されたためドライバーにとって駐車場が必要不可欠になったこと
です。
革新的なサービスを安価で提供できたうえに環境変化にも恵まれたパーク24社は、平成においてそのシェアを84.1%にまであげていきました。
パーク24社は、駐車している間に洗車をしてくれるサービスなど継続的なイノベーションを実施しているが、もしかするとオーバーシューティングでイノベーションのジレンマに陥るかもしれない。
令和の破壊的イノベーションの足音が聞こえ始めている。
≪一部抜粋≫
経営学やマーケティング論において「オーバーシュート」とは、メーカーが顧客の望んでいる以上の品質や性能の製品を開発して市場に出してしまうことであり、日本企業による「過剰品質」「過剰仕様」を指摘する場合などでよく用いられる。
●令和の時間貸し駐車場
最近目にするようになったのが、無人・無ロック、の時間貸し駐車場です。私の自宅付近だけでも2か所ありますし、令和3年現在では餃子の無人販売所が流行していますね。古くは田舎の野菜無人販売所に見られる信用のうえに成り立つビジネスモデル、利用者のリスクと事業者のコストの塩梅が見られる日本ならではのビジネスモデルと言えるのではないでしょうか。
この無人・無ロック駐車場は、精算機が1台あるだけでロック版がない状態でサービスを提供しています。つまりその特徴は、
・イニシャルコストを削減できるため地主のリスクを軽減できること
・提供価格が通常のコインパーキングより非常に安いこと
にあると言えます。
その他にもCtoCで駐車場を時間貸しするプラットフォームを作ったakippa社なども顧客同士の信頼と信用のうえに成り立つビジネスであり、貸主と借り手の新しい価値観で市場が成り立ち始めています。
今のところ破壊的イノベーションが起きているとまでは言えないが、DXが進む令和の時代に何か起こりえる可能性は高いと感じています。
以上